更新日 2006/03/24

 

    近年急増中のキクイムシによる「ヒノキ」被害について、ネット情報をまとめてみました。

  樹木が枯れることでしか被害確認が出来ない状況と、防除の困難さが問題です。

  
   下記は200種にも及ぶキクイムシの一部です。種類が多様なので、防除の対応が非常に困難です。

  誘虫剤(フェロモン剤)は限定種にのみ有効です。少しでも違った種類には全く効果がありません。

  合成フェロモンを200種用意するのは、大変なコストがかかり、非現実的です。

コウチュウ(甲虫)類

[学名] Coleoptera
[分類] 鞘翅目(コウチュウ目)

オサムシ科
ハネカクシ科
タマムシ科
カツオブシムシ科
ヒラタキクイムシ科
ナガシンクイムシ科
シバンムシ科
ヒョウホンムシ科
コクヌスト科
カッコウムシ科
ケシキスイ科
ヒラタムシ科
ホソヒラタムシ科
コメツキモドキ科
ヒメマキムシ科
カミキリモドキ科
ツチハンミョウ科
ゴミムシダマシ科
カミキリムシ科
マメゾウムシ科
ゾウムシ科
オサゾウムシ科

 コガネムシやテントウムシなど,前翅が硬くなり鞘状に腹部をおおっている一群の昆虫で,非常に

多くの種類がある.人の生活にかかわりの深い種類も多く,その被害も農業,衛生,森林,食品,

建材,不快など多方面におよぶ.人体に皮膚炎などを起こすなど直接的な害を与えるものは,

ハネカクシ科,カミキリモドキ科,ツチハンミョウ科,オサムシ科に多い.

上記画像、文章、及び各画像リンク先は  名古屋市衛生研究所 生活環境部 衛生動物室 です。
 無数の虫穴に薬剤を注入する作業が紹介されています。穴が肉眼で確認できる場合は有効ですが

実際には、もっと小さな穴(直径1mm以下)が小さく、薬剤を注入することすら困難です。

全ての穴に爪楊枝を差し込んだ下記写真が非常に印象的です。

大変な時間と労力を注がれておられるようです。

  
 下記の「くん蒸」散布は、大きなビニールハウス全体に害虫の致死量濃度に濃度を上げたガスを

充填する駆除方法です。大規模な農場等では一般的な方法ですが、集合住宅等の人口密集地に

おいては、現実的に実施不可能です。現段階では、成虫繁殖期(5月〜6月)に従来とおりの薬剤

散布にて対応するしか方法がありません。

カシノナガキクイムシの防除方法

 カシノナガキクイムシは、体長4.5mmほどの小さな虫(写真1)であり、その穿入孔の径も小さいが、

それが心材深くにまで侵入することから、通常の「くん蒸」処理では薬剤ガスが届かず、殺虫率が

低かった。また、1本の木に大量の虫が取り付き、穿入するため(写真2)、材内の坑道は複雑に

入り組んでいる。 そのため、被害木にドリルで多数の穴を開け、そこにくん蒸剤を注入する方法

(写真3)が考え出された。こうすることで、穴の中で蒸発したガスが穿入孔に行き届き、高い殺虫

効果が得られる。


写真1(鉛筆のペン先は比較のためのイメージ)


写真2
 カシノナガキクイムシの穿入した穴に、

つまようじを差したもの。1本の木に大量

の虫が取り付いていることが分かる。

根元に見える、粉状のものは、カシノ

ナガキクイムシが穿孔するために出た

木屑。

 ドリルで開けた穴にくん蒸剤を注入して

いるところ。カシノナガキクイムシは、ほと

んどが高さ1.5m位の高さまでに穿孔する

ことから、ハシゴ等を使用しなくても作業

可能。


写真3

上記画像、文章は  林野庁 HPからの抜粋です。

    更に詳しく、生態や防除方が研究されております。下記をご参照下さい。

         林産試験所 木材保存科 08789044001.pdf

    

    キクイムシの被害が拡大している理由として地球温暖化、住宅地の乱開発等が少なからず関係している

  のでしょうか?また、外国産材に完全に駆除仕切れないまま付着した輸入害虫の発生も危惧されている

  ようです。被害の拡大が早く収縮するように願います。