Last Updated 02/20/2002

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 水ヤリ作業の注意事項

さあ、いよいよ夏に向けて日差しも厳しくなってきました。これからが植木の

水ヤリの 正念場です。

水ヤリが植栽管理において、いかに大事な作業であるか?水ヤリの目的は?

などについては灌水作業 のページで紹介させて頂くとして・・・

ここでは、具体的にどのようにして 水ヤリを効果的かつ効率的 に行えば

よいのかを紹介します。

 水ヤリ時においての注意点

急激な温度変化を植木に与えない(日中炎天下の水ヤリはなるべくさける)

植物も、れっきとした生き物です。急激な環境の変化は植木にとって

マイナスの要因 となります。

ただ、時間的余裕がなくて、やむをえず日中炎天下に水ヤリを行う場合には、

何度かに分けてゆっくりと 水ヤリをするのが、コツです。

 樹種によって与える水量を調整する(水がたくさん必要な木と、

そうでない木を知っておく)

一般的に根の浅い低木(ヒラドツツジ・サツキツツジ・ボックスウッド等)は

水分を多く必要とする と言われています。

と言ってもその植物自体が他の樹種よりたくさんの水分を必要とするのではなく、

根の浅い分、地表土の水分がすぐに蒸散しやすいと言うことです。

ウッドチップや下草等で地表を覆うことで、ある程度は地表水分の

蒸散防止が期待できます。

つまり、植物の植えられている環境によって 水ヤリの量を調整 することが、

重要になってきます。

 土壌の保水力を考えて水量を守る(上記の項目とほぼ同じ意味です)

樹種と同時に、植え込みに使われている客土についても、考慮することが

大切です。

一般的に粘土質の含有量の多い土壌(いつもジメジメしている土)には

少量の砂岩質の多い土壌(パサパサしているような土)にはある程度

たっぷりめの水をやるのが適当です。

水をやっていてすぐに水がたまってしまうような場所は水はけが悪い場所なので、

適量を過ぎて水をやってしまうと、すぐに 根ぐされ を引き起こしてしまいます。

 花卉に直接水がかからないように注意する

せっかく植物ががんばって花を咲かせているのに、すごい勢いの水を

かけてしまうのはちょっと考えものです。

また、植木と違って家庭菜園のように、収穫を目的に植えられている植物の

花卉に対してこれを行うと、収穫できるはずの果実の基になる、胚珠部の欠損に

つながる可能性もあります。

 散水ホースの先に拡散ノズルを設け、植物にダメージを与えない

上記の花卉と同様に、植物本体 にも充分に気をつけてやる必要があります。

高木など根張りのしっかりした木にはあてはまりませんがちょっとした植え込みの

下草などには特に注意が必要です。根ごと倒してしまったり、

流れていってしまうような水のかけ方では

水ヤリ失格です。水ヤリの理想は、土壌部だけにゆるやかに水分を

補給する方法です。

できる限り理想に近づけるような水のやり方を研究して下さい。

基本的に植物は根からのみ水分を吸収します。ですから、根より

上部(茎や葉)に水をやる必要は 全くありません。

緑の木々や庭の石が雨上がりの様に濡れていると、

とても綺麗で落ち着いて見えますが、水ヤリに限って述する場合には、無意味です。

また、客土を流出 させてしてしまうような水のやり方も考えものです・・・

水の勢いを充分に調節して一点に 過度に集中 するような(客土が掘れて

しまうような)水のやり方は避けましょう。

時間的余裕がなく、一日で敷地全体に水ヤリができないような場合も

あると思います。

なるべく、ローテーションを組むなど 計画的に 水ヤリを行って下さい。

くれぐれも やり忘れのないよう に気をつけて下さい。

 最後に・・・

他のページでも述べていますが、近年の植栽環境は木々にとって

最良のものではありません。

植栽面積の都合上、どうしても木々にしわ寄せがいってしまっているのが

現状です。そういった環境下では、どうしても水不足になる傾向があります。

我々には、そういった木々を守っていく義務があるはずです。

これからどんどん外気温が上がって、屋外での作業が辛くなる季節です。

しかし、そこに植えられている木々のことを思いやって、日々の

水ヤリに 励んで下さい。